任意整理の交渉目安と東京三弁護士会統一基準

任意整理は、弁護士が各債権者と直接交渉を行い、支払総額や分割期間、毎月の返済額を組み直して和解するという手続です。


“任意”整理という名のとおり、和解に応じるかは任意で、強制力はありませんが、ある程度交渉の相場というものがあります。


交渉目標のひとつとして「東京三弁護士会統一基準」というものがあります。


要約すると、弁護士が任意整理の交渉を行うにあたっては、

① 貸金業者に対して全ての取引経過の開示を求めること 

② 利息制限法に引き直し債権額を確定すること

③ 和解案の提示にあたっては、それまでの遅延損害金、並びに将来の利息は付けないこと

という基準に従って事件を処理せよ、というものです。


これはあくまで交渉を行う弁護士に対する指針であり、金融業者も遵守すべき協定というわけではありません。


もっとも、金融業者側もある程度は上記基準に沿って任意交渉に応じるべきという社会的要請が働いているといえます。


最近の傾向では、③の遅延損害金や将来利息のカットについてなかなか応じてくれない業者が現れるようになったと感じています。


印象としては、信販会社(クレジットカード会社)は比較的柔軟に応じてくれる傾向にある一方、消費者金融系は将来利息のカットを拒否する業者が一部見受けられます。


任意整理では債権者と折り合いがつかないときは個人再生などの手続に方針変更することを検討する必要があります。