障害年金の認定基準には多くの原則と例外がある

障害年金の受給資格を得るためには、一定程度の障害の状態が必要となります。


そのため、障害の状態が軽いか重いかを判断するうえで、日常生活の支障や病院での検査結果の数値などは重要な要素となっており、診断書に正確に反映してもらわないと、適切な認定を受けることができないという難しさがあります。


一方で、いくつかの類型においては、そういった障害の状態の軽重があまり問題にならないものがあります。


具体例として、ペースメーカーの埋め込み手術や、人工関節・人工骨頭の置換術を行っている場合がそれに該当します。


これらの類型では、現実の日常生活への支障や関節の可動域制限の有無は不問で、上記のような手術を行っているのかどうかで等級を判断されることになります。


ネットで「障害年金 人工関節」などと検索していただくと、原則として3級が受給されると説明しているホームページも多いです。


そのため、こういった類型では特に専門家に相談せずに自分で手続を進めても簡単に受給できるのではないかと思われる方もいらっしゃるようです。


ただし、これらにも落とし穴はあります。あくまで「原則として」受給できるのであって、いくつかの例外があります。


その例外のひとつを紹介します。肘関節に人工骨頭を入れた場合です。


肘関節は上腕骨と尺骨、橈骨の組み合わせでできています。


このうち、上腕骨もしくは尺骨を人工骨頭に置換した場合は問題なく3級が受給できます。


一方で、橈骨を人工骨頭に置換した場合は、3級の対象とならないという運用とされています。


この運用は日本年金機構もホームページにも(ひっそりと)告知されています。


https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/01.pdf


ただ、多くのホームページでは書略されている内容で、もしかしたらこの運用を知らないという社労士等もいるのではないかと思います。


このような思わぬ落とし穴が多いので、障害年金に関しては本当に詳しい弁護士や社労士に相談することが大事です。