債務整理と弁護士の直接面談義務

弁護士が債務整理の案件をご依頼いただく際には、日弁連が定める「債務整理事件処理の規律を定める規程」に従って案件を処理しなければいけません。


そこで課せられている義務のひとつに、弁護士の直接面談義務というものがあります。


債務整理の案件を受任するときは、必ず弁護士が対面で依頼者とお会いして、契約内容や事件処理の流れ等を説明しないといけないというルールです。


そのため、当法人でも、ご依頼の際には必ず事務所にお越しいただき、弁護士からの説明を受けていただくことをお願いしております。


最近、このルールをめぐって、消費者金融大手4社が連名で「依頼者との直接面談や説明をしていないとみられる例が多数散見される」として、各弁護士への規程順守の徹底や違反者の処分を求める意見書が提出されたと報道されています。


確かに、当法人でも、一度別の事務所に依頼したが解約になってしまったり、契約中だが弁護士を変更したいという理由で当事務所に相談にいらっしゃるという方は少なくありませんが、その中には、前の事務所では上記の直接面談が行われていなかったというケースがちらほら見受けられます。


最近だと、前の弁護士とは依頼してから数年間一度も話したことはなく、解約の際に電話で話したのが最初で最後という方がいらっしゃいました。


その方は、前の弁護士に自己破産の手続を依頼していたのですが、その最中にお金に困って勤務先からお金を借りて給料天引きという形で返済していたところ、それが免責不許可事由に該当するので引き受けられないと言われて、契約を打ち切られてしまったとのことでした。


正直なところ、前の弁護士が直接面談を行いちゃんと注意事項を説明していればこのようなことにはならずに済んだのでないだろうか、その結果契約を打ち切ってしまうというのは無責任ではないかと思ってしまいます。


債務整理を弁護士にご依頼いただく際には、弁護士と直接しっかりお話しして、信頼できると思った弁護士にご依頼いただければと思います。


年金機構の判断でも覆せることがある

前回のブログで、傷病名を知的障害で申請したのに、年金機構が初診日を出生日と認めてもらえなかったケースをご紹介しました。


今回はその続きです。


もし年金機構の判断を受け入れると、遡及請求が不可能になってしまい、最大400万円近くを諦めなければいけません。


そのため、この年金機構の判断を覆す必要がありました。


とはいっても、やみくもに反論しても年金機構には通用しませんので、しっかり理屈と根拠を示して反論しないといけません。


このケースの難点は、申立人が知的障害だと判断された根拠が、50歳を過ぎてからの知能検査しかないというのが弱みでした。


これだけだと「50歳時点で知能指数が低下していることはわかるが、それが先天的なものだったのか、それとも統合失調症発症以降の後天的なものだったのかは断定できない」というのが、年金機構の理屈です。


そこで、依頼者からあらためて事情を聴き取り、初診の病院に限らず、精神科や心療内科の通院歴はないかを確認しました。


そうしたところ、成人後から現在までの30年間で、いくつか通院していた時期があることがわかりました。


それらの病院に何か手掛かりはないかを調べるため、各病院のカルテの開示請求を行いました。


その結果、その中のひとつの病院のカルテに、医師が「依頼者の症状は、統合失調症ではなく先天的な知的障害が原因ではないか」と疑う記載を見つけることができました。


さっそく、このカルテを追加資料で提出するとともに、「診断書を書いた主治医以外にも知的障害が原因だと指摘する医師がいる。実際に依頼者を診察した複数の医師の意見が一致しているのだから、先天的な知的障害の存在を認めるべきだ」という意見書も提出しました。


しばらくして年金事務所の判断は覆り、無事に知的障害の存在を認めてもらうことができました。


このケースのように、年金機構の判断であっても、代理人の弁護士の取り組み次第ではその判断を覆せるケースは存在し、それにより大きく支給金額が変わってくることがあります。


知的障害の初診日・認定日について

障害年金の初診日と認定日にはいくつかのルールがあります。


その中のひとつに「知的障害の初診日は出生日であり、認定日は20歳の成人時である。」というルールがあります(以前のブログでも簡単に紹介させていただいています)。


しかし、知的障害の診断名と知能検査の結果さえあれば、直ちに上記のような運用になるわけではないというケースを紹介します。


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問題になったケースは、50歳を過ぎてから知的障害での障害年金の申請にチャレンジしたケースでした。


この方は、19歳の頃に初めて精神的な症状を訴えて病院に行きました。


しかし、このときは知能検査を受けたという記録はなく、傷病名も「統合失調症」との診断を受けていました。


また、このときは1年足らずで通院を辞めていました。


もしこの統合失調症の傷病名で申請すると、遡及請求をすることは不可能です(統合失調症で遡及請求をするためには初診日の1年半後の状態が記載された診断書が必要になるのですが、今回のケースではその頃には通院をすでに辞めていたため)。


一方で、この依頼者のケースでは、幼少期のエピソードなどから、先天的な知的障害の可能性が疑われました。


もし知的障害の傷病名で申請できれば、上記のとおり、初診日は出生日、認定日は20歳の成人時になり、その頃ならまだ通院していたので、当時の診断書を作成してもらうことで遡及請求ができる余地がありました。そして、もしこれが認められれば遡って400万円近くを受給できる可能性がありました。


そこで、50歳を過ぎてからではありますが知能検査を実施したところ、知能指数の低下が確認され、重度の知的障害と診断されました。


主治医の協力もあり、障害年金の診断書も知的障害の傷病名で書いてもらうことができ、さらに20歳の頃の状態を記載した診断書も作成してもらうことができました。


これで、遡及請求のための書類は整ったはず・・・でした。


しかし、実際に申請を出してみると、年金機構から待ったがかかりました。


年金機構の判断は「知的障害での遡及請求は認められない」というもので、理由を要約すると「検査で判明した知能低下は統合失調症の影響であり、先天的な知的障害があったとは認められない。したがって、初診日は統合失調症で初めて病院に行った日である。」というものでした。


確かに、医学的には、統合失調症患者の多くは知能指数の低下が認められるという研究結果もあるようです。


さらにこの依頼者の場合、上記のとおり知能検査を受けたのは50歳を超えてからでした。


そのため、年金機構が「この知能検査の結果だけでは生まれつき知的障害があったという証明にはならない」と判断したのも、理解できなくはありません。


このケースのように、年金機構の審査は実質的な内容にまで及んでおり、その審査結果によっては、いわゆる教科書的なルールとは違った判断が下ることがあります。


さて、このまま年金機構の判断に従うと、遡及請求は不可能となり、最大400万円近くを諦めなければいけません。


年金機構が判断したのだからもう仕方ないのではと思ってしまうかもしれません。しかし、ある意味ではここからが弁護士の腕の見せ所といえます。


長くなりましたので、次回のブログにて私がこの事態にどう対応したのか、その結果はどうだったのかをご紹介したいと思います。


借金を任意整理した場合の返済期間

債務整理の手段のひとつに任意整理があります。


任意整理は、弁護士が各債権者と個別に交渉して毎月の返済金額や返済期間を決めて、その合意に従って完済を目指して支払っていくものです。


裁判所に申し立てを行う必要がない点で、個人再生や自己破産と比べて手続的な負担が軽く、裁判所による指示・制約がないため比較的自由度が高いという特徴があります。


他方で、あくまで裁判所外の手続であるため、強制力はありません。


そのため、借り入れ状況などによっては、応じてもらえる返済期間などが変わってくる場合があります。


一般的には、将来発生する利息を免除してもらって、3~5年の分割期間で払っていくというのが一つの目安となります。


ただ、借り入れの期間が数カ月から1年程度と短い場合などでは、短期の分割払いを求められることがあります。


また、債務の総額が比較的少なく、長期の分割払いにすると毎月の返済額が極端に少なくなってしまうようなケースでは、毎月最低でも数千円程度は支払う内容にしてほしいと求めてくる業者もあります。


債権者によっては、「社内の取り決めで、そもそも〇〇回以上の分割を認めていない」という業者もあります。


逆に、債務者の状況を斟酌して、5年以上の長期の分割に柔軟に応じてくれるところもあります。


また、債権者の対応は必ずしも一定ではなく、経営状況などで変わってくることがあります。


最近だと、借りてすぐに任意整理や破産をする人が増えて利益が出なくなっていることを理由に、将来利息の全額カットを拒否する業者も現れ始めました(個人的には、貸し倒れが起きないように業者側も与信審査を行っているはずなのだから、無茶な貸し付けを行った業者側の責任だと思いますが)。


交渉に当たる弁護士がこのような業者の傾向を把握していないと、任意整理で進めるつもりだったのが短期の分割を求められ破産せざるを得なくなったり、逆に長期の分割に応じてくれる業者で任意整理でもいけるはずだったのに、不必要な破産での解決を勧めてしまったりと、依頼者の希望に添えない結果を招くことがあります。


そのため、債務整理は経験豊富な弁護士に依頼するのがおすすめです。


弁護士法人心・船橋法律事務所がオープン

令和6年1月、千葉県船橋市に、弁護士法人心・船橋法律事務所が新たにオープンしました。


千葉県内では、千葉、柏に続いて3つ目の事務所になり、全国では17つ目の事務所になります。


事務所の最寄り駅である船橋駅・東海神駅は都内にも一本でアクセスできる場所にあります。船橋市の方を始め、より多くの方のお役に立てればと思います。



ところで、これら船橋事務所・千葉事務所・柏事務所は、裁判所の「管轄」が少しずつ異なります。


管轄とは、どこの裁判所が、どのような範囲で、どのような事件を扱うかを定めたルールです。


千葉事務所のある千葉市には、千葉地方・家庭裁判所があり、「本庁」と呼ばれています。


一方、柏事務所のある柏市は、松戸市にある千葉地方・家庭裁判所松戸支部の管轄にあります。


そして、今回新たにオープンした船橋事務所のある船橋市は、市川市にある千葉家庭裁判所市川出張所、市川簡易裁判所の管轄が及びます。


これを見ると、「地方」裁判所だったり「簡易」裁判所だったり、あるいは「支部」だとか「出張所」だとか、微妙に違いがあるのに気付いたかもしれません。


「簡易」裁判所は地方裁判所と比べて取り扱える事件に制限があり、訴額が140万円を超える事件は取り扱うことができません。


「支部」は概ね通常の地方・家庭裁判所と同様の役割を果たしますが、本庁とは違って行政訴訟や民事控訴事件を扱うことはできません。


「出張所」は、家事審判法に基づく調停及び審判のみを取り扱います。


船橋事務所が管轄に属する市川の裁判所の場合、簡易裁判所のみがあり地方裁判所の機能はありません。


そのため、訴額140万円を超える事件は本庁である千葉地方裁判所に提起する必要があります。


一方、家事事件は家庭裁判所の出張所があるので、市川の裁判所で取り扱ってもらうことができます。


債務整理と銀行口座の凍結

債務整理を行うと、一定の場合に銀行の口座が凍結されてしまう場合があります。


銀行の口座が凍結されてしまうと、通常だと1~2ヶ月の間(永久に口座が使えなくなるわけではありません)口座が使えなくなり、口座に入金された給料が引き出せなくなってしまったり、その口座からの自動引き落としができなくなってしまいます。


また、凍結時に口座に預金が残っていた場合、その預金と借金が相殺されてしまいます。


このように、口座凍結による日常生活の支障は少なくありません。


もっとも、債務整理をするとあらゆる銀行口座が凍結されるわけではありません。 以下に口座凍結の条件などをまとめておきたいと思います。


①まず、あくまで任意整理をした銀行の口座が凍結されるのであって、他の銀行までもが凍結されることはありません。


たとえば、三井住友銀行の債務整理をした場合、三井住友銀行の口座は凍結される可能性はありますが、債務整理する銀行とは関係ないみずほ銀行などの口座が凍結されることはありません。


②また、銀行の系列業者のカードを債務整理しても、銀行口座が凍結されることはありません。


たとえば、「三井住友銀行」と「三井住友カード」、「楽天銀行」と「楽天カード」などは名称こそ似ていますがあくまで別会社なので、○○カードの方を債務整理しても、銀行の口座が凍結されることはありません。


③一方、同一銀行内だとすべての口座が凍結される可能性があります。


たとえば、三菱UFJ銀行の千葉支店と柏支店に口座を開設していた場合は、三菱UFJ銀行の債務整理をすると両方の口座が凍結されます。


④また、見落としがちですが、普通預金だけでなく定期預金も凍結の対象となり、借金と相殺されてしまいます。


口座凍結の影響を最小限に抑えるためには、事前にある程度の対策を行っておく必要があります。


具体的には、

・あらかじめ銀行口座に残っている預金を引き出しておく。
・給料等の振込先口座を別の口座に変更しておく。
・公共料金等の引き落とし口座を別の口座変更しておく。

などを行っていただくのが好ましいといえます。


住宅ローンと清算価値の問題

債務整理したいが住宅ローンの残っている自宅には変わらず住み続けたいという方にお勧めの手続のひとつに、個人再生という手続があります。

裁判所の認可を受けて借金の総額を圧縮しつつ、住宅ローンだけは「住宅資金特別条項」という制度を使うことで、自宅を残すことが可能です。

ただ、ケースによっては借金の総額の圧縮があまり期待できないケースがあります。

個人再生の場合、借金を圧縮できる金額は、債務者の有している財産の清算価値の金額が下限となります。

たとえば、借金が1000万円ある方が個人再生を利用する場合、本来は最大では200万円まで債務を圧縮できるのですが、もしこの方に500万円の清算価値を有する財産を持っているのであれば、最低でも500万円までは借金をはらわないといけないルールになっています。

この清算価値の問題は、不動産の価値に左右されることが多いです。

たとえば、不動産の価値が1500万円で、住宅ローンが2000万円残っており、ローンの金額が上回っている状態(オーバーローン)のケースだと、清算価値は0円になります。この場合は問題ありません。

一方で、不動産の価値は同じく1500万円だが、長年ローンを返済し続けており、住宅ローンの残りは1000万円まで減っていたというケースだと、清算価値は1500万円-1000万円=500万円という計算になります。

また、近年だと地価の上昇により不動産の価値が上がっており、いつの間にかローンの残額を上回っていたというケースもあります。

千葉県内でも、地域にもよりますが昨年比で10%近く地価が上がっているエリアもあるようです。

そういったケースだと、持ち家の不動産価格の上昇は本来うれしいことではあるのですが、個人再生の関係だと不利になってしまうことがあるので注意が必要です。

弁護士業と書籍

インターネットで多くの情報を手に入れることができる時代ではありますが、弁護士のような専門性の高い仕事を完遂するには、専門書籍や文献を調査・参照しないといけない場面は多くあります。

書籍の検索・購入もネットを通じてできるので便利ではありますが、書籍の中身を試し読みすることができないという難点があります。

予算と本棚のスペースが無限にあるのなら手当たり次第に購入してもよいのですが、なかなかそうもいきません(特に、法律書は高いし分厚いことが多いので・・・)。

なので、アナログ思考ではありますが実店舗で実際に手に取って選んで買うのが私の好みです。

東京駅の事務所で執務していた時は丸善が、池袋の事務所で執務していた時はジュンク堂が近くにあったので、よくお世話になりました。

柏事務所の近くだとそこまでの大型書店がないので少し苦労しており、休日は本を探しに東京に旅たつこともあります。

また、大型書店以外にも法律書専門の書店に足を運ぶこともあります。

私の母校は大学・法科大学院ともに東京の水道橋・神保町にあるのですが、そこにある「丸沼書店」は法律書専門書店として非常に品揃えが豊富で信頼度の高いお店です。

学生時代から現在まで15年以上お世話になっています。

弁護士業は専門性が大事だと思いますが、書店も専門性が高いと心強いです。

最近は法律書以外でも医療や福祉関係の書籍を参照したいことが多く、そういった書籍に強い書店を開拓したいところです。

医師が障害年金の診断書を書いてくれない

障害年金の申請のためには医師が作成する診断書が必要になります。


逆に言えば、診断書を入手できなければ障害年金の申請はできないことになります。


しかし、医師に診断書の作成をお願いしたのに、診断書を書いてくれないというケースがあります。相談に乗っていると、いくつかのパターンがあるように思います。


①「症状が軽いので書けない」といわれた


本来、症状が軽いのか重いのか、年金を受給できるかできないかの判断は、最終的には年金事務所が行うことであり、医師が診断書の作成段階で門前払いにする理由にはなりません。


しかし、医師からこのように言われてしまって申請をあきらめてしまうという方は少なくないようです。


②「当時の主治医が退職していないから書けない」といわれた


遡及請求のために過去の状態の診断書を書いてもらいたい場合によく問題となります。


多くの場合は、もし病院にカルテが残っているならそのカルテの記載に基づいて現在在籍している医師に書いてもらいますが、後述する医師法上の義務は実際に診察した先生には及ばないので法律上強制することができません。


また、当時のカルテの内容が不十分だったりすると。「カルテに書いていないことは書けない」と断られてしまうおそれがあります。


③「専門医ではないので書けない」といわれた


大学病院や総合病院で検査して病気が発覚したが、治療自体は近所の町医者で治療している場合などに出くわすケースです。


そう言われたのでいざ大病院の先生にお願いしたら、「普段治療している町医者の先生の方がよく状態を知っているはずだからそっちに書いてもらうように」とたらいまわしにされてしまうパターンもあります・・・


④理由はよくわからないけど書いてくれない


身も蓋もない話ですが、実際相談を受けているとこういうケースは多かったりします。


実際の理由はわかりませんが、障害年金の診断書は記載しないといけない内容も多く、経験の少ない先生だとどう書いていいかわからないとか、多忙な先生だと書く時間がない(基本的に日中は診察があるので、ほとんどの医師は夜に残業して書いています)とか、診断書の内容が認定に大きく影響してくるので、受給できなかった場合にクレームが来るのを避けたい、といった理由で書きたくないという先生もいるのではないかと勝手に想像しています。


診断書の作成に関して法律はどうなっているかというと、医師法19条2項は、患者から診断書の交付を求められた場合は正当な理由なく拒むことはできないとされています。


とはいっても、弁護士が声高に「作成義務があるんだ!」と法律を盾にしてなんとか書いてもらったとしても、形式的な体裁だけ整えられた診断書が出来上がってくるだけで、肝心の内容はあまりいい出来でないということは少なくありません。


普段の問診では伝えきれていない症状や日常生活の支障をしっかりとお伝えして、医師に理解してもらうことが大事だと考えています。


そのためには、症状等をまとめたメモなどを用意してお渡しするなどの作戦が考えられます。


また、診断書のポイントがよくわかっていない医師もいるので、その場合は弁護士から何が重要なのかを説明したりすることもあります(押しつけがましい説明は不快に思う先生もいるので、誤解を招かないように慎重かつ丁寧な対応が必要です)。


弁護士法人心の障害年金申請サポートは診断書の作成段階からサポートさせていただくことも可能なので、もし診断書の作成を断られてしまっても、諦めないでまずはご相談いただければと思います。


初診日が未成年の頃の場合の障害年金申請

障害年金の申請において、初診日が未成年の頃だった場合は、成人(20歳)以降に初診日があった場合と比べて、いくつか異なる点があり、申請の際には注意が必要です。


まず、初診日が未成年の頃の場合は、年金の納付要件は不要になります。


これは、そもそも未成年の場合は原則として年金の加入資格がないからです。


次に、原則として障害基礎年金での申請となります。


障害基礎年金の場合、受給対象になるのは1級・2級相当の障害に限定されるため、受給のためには比較的重い症状が求められることになります。


ただし、未成年のときから就労していて会社の厚生年金に加入しており、それ以降に初診日がある場合は障害厚生年金での申請が可能です。


また、初診日が未成年の場合、一定の収入があると、障害年金の支給額が半額になったり停止されたりする場合があります。


障害認定日についても、原則は初診日から1年半後は認定日になりますが、1年半経過時点においてもまだ20歳に達していない場合は、20歳になった時が障害認定日になります。


初診日が未成年の頃の場合は、年金の納付要件が免除される反面、支給条件の関係等で不利になることがあります。


一方で、成人以降が初診日とされてしまうとそもそも年金の納付要件を満たすことができず障害年金を受給できない場合に、未成年の頃が初診日であると証明することで、納付要件を免除されたおかげで救済されるというケースもあります。


たとえば、成人以降に受診して精神の障害が発覚し、受診時点では納付要件を満たしていなかったケースで、詳しい検査の結果、知的障害もあることが発覚し、未成年の障害であるとして障害年金を受給することができたケースなどがあります(※知的障害は、受診が20歳以降であっても、例外的に出生時が初診日として取り扱われます)。


また、支給基準とは別の問題として、成人後しばらく経ってから障害年金を申請しようと思ったら、初診日が未成年の頃だったため、昔過ぎて資料が揃えられなくて困っているという話もよく聞きます。

未成年の頃からの障害をお持ちの方は申請の際に難しい問題が生じることがあるので、申請前に弁護士にご相談いただくとよいでしょう。


個人再生と履行可能性

債務整理の方法のひとつに、個人再生という手続があります。


裁判所の認可を受けて債務総額を減額してもらい、減額後の金額を3年から5年をかけて計画的に完済していくというものです。


破産と違って借金がゼロになるわけではないので、この手続が認められるためには、履行可能性(=借金を計画通りに返済できること)が必要です。


たとえば、家計が赤字で貯金を切り崩しながら生活しているような場合ですと、貯金が尽きれば返済も行き詰ってしまうのは明白なので、履行可能性が認められないと判断されてしまう可能性が高いです。


個人再生の手続では、家計表や給与明細、銀行口座の取引履歴などの提出が求められますが、これらは裁判所が収支をチェックし履行可能性があるかどうかを判断するための材料となります。


裁判所は現在の状況や過去の実績を重視するので、「これから副業を始めるので収入はもっと増える見込みだ」とか、「節約に努めて出費を減らします」といった不確定な話はなかなか通用しません。


裁判所への申立てに先立って、事前にしっかり準備する必要があります。


なお、履行可能性の判断については裁判所によって考え方に多少の違いがあるようですが、私が在籍する柏事務所の管轄である千葉地方裁判所松戸支部の場合だと、月々の恒常的な生活費に加えて2~3万円程度の余剰がないと、履行可能性について疑問ありと指摘される傾向にあります。


月々の収支がプラスマイナスゼロで一切貯金ができないような状態だと、臨時の出費や税金の支払いがあった場合に生計が成り立たなくなってしまうおそれがあるからです。


生活保護と障害年金

病気やケガで仕事ができなくなり生活保護を受けているという方から、障害年金の申請について相談を受けることがあります。


生活保護費と障害年金は、両方を同時に満額受け取ることはできません。



たとえば、生活保護受給額が月13万円、障害年金受給額が10万円だとすると、最終的にお手元に残る金額は13万円+10万円=23万円ではありません。



この場合は、障害年金からは10万円、生活保護からは13万円-10万円=3万円もらえる計算になり、合計でもらえる金額は13万円と変わらないことになります。



ただし、障害年金に該当する場合は生活保護の障害者加算がもらえるため、住んでいる地域に応じて1~2万円程度加算されるメリットがあります。



生活保護の場合、悩ましいのが障害年金申請を代行させていただく際の弁護士費用についてです。


当法人の場合、障害年金の申請代行は成功報酬制で引き受けさせていただくことが多く、通常は数か月分が初回入金分としてまとめて支給されるので、そこからお支払いをしていただくことを想定しています。



しかしながら、生活保護の場合、この初回入金分は収入扱いとなるため原則として市町村に返還しなければならず、お手元に残すことができません。



ただ、市町村によりけりですが、障害年金を申請するための弁護士費用は収入を得るための必要経費であったという理屈で、弁護士費用相当額の返還を免除してくれる場合があります。



たとえば、初回入金分が30万円、弁護士費用が15万円の場合ですと、弁護士費用を払った後の30万円-15万円=15万円分だけ市町村に返還すればよいということになります。



この場合は、弁護士費用は事実上市町村が負担するような形となり、依頼者の負担はゼロということになり大変助かります。



相続土地国庫帰属制度

令和5年4月27日から、相続土地国庫帰属制度という制度が新たに施行されることとなりました。



これは、相続財産の中に管理が困難な土地がある場合に、一定の条件の下で国庫に帰属させる(引き取ってもらう)ことができるという制度です。



本来、相続財産を引き継ぐときはすべてを包括して継承する必要があり、たとえば、預金のようなプラスの財産だけを受領する一方、いらない土地は放っておくということはできませんでした。



もしどうしても不要な土地を手放したいというのであれば相続放棄を行う必要があり、その場合は、他のプラスの財産を受領することは諦めないといけませんでした。



また、不要な土地をめぐって相続人間で押し付けあいになることも少なくありませんでした。



本制度はこういった問題の解決策の一つになることが期待されています。



もっとも、この相続土地国庫帰属制度がどこまで有効活用されるかは、現状未知数と考えています。



というのも、土地を国庫帰属できるかどうかの条件がけっこう厳しく、

・建物がある土地

・担保権や使用収益権が設定されている土地

・他人の利用が予定されている土地

・特定の有害物質によって土壌汚染されている土地

・境界が明らかでない土地・所有権の存否や範囲について争いがある土地

などを申請することはできません。



また、

・一定の勾配・高さの崖があって、管理に過分な費用・労力がかかる土地

・土地の管理・処分を阻害する有体物が地上にある土地

・土地の管理・処分のために、除去しなければいけない有体物が地下にある土地

・隣接する土地の所有者等との争訟によらなければ管理・処分ができない土地

・その他、通常の管理・処分に当たって過分な費用・労力がかかる土地

なども国庫に帰属させることができません。



国庫に帰属させるつもりで相続したが実際は条件を満たしておらず、相続放棄しようと思っても時すでに遅し・・・(※)というような事態が起こらないか、非常に心配しているところです。



(※相続放棄は相続発生から原則3カ月以内に手続きを取らないといけません。)



弁護士法人心では相続の相談も受け付けておりますので、相続が発生したら早い段階でご相談いただければと思います。



ギャンブルによる借金でも破産できるのか

破産の相談で、「借金の原因がギャンブルなので、破産はできないのではないか?」という質問をされることが結構あります。


破産には「免責不許可事由」というものがあります。


これに該当してしまうと、免責、つまり借金を帳消しにしてもらうことはできなくなってしまいます。


破産法252条1項には、いかなる行為が免責不許可事由に該当するかについて列挙されています。


そのひとつに「浪費又は賭博その他の射幸行為をしたことによって著しく財産を減少させ、又は過大な債務を負担したこと。」というのがあります。


これだけ見ると、まさしく「賭博(=ギャンブル)」による借金は、免責が認められないと読めます。


ですが、すべてのギャンブルがこの免責不許可事由にあたるかというと、実はそうとは限りません。


たとえば、毎月1万円程度と予算を決めてその中でギャンブルを楽しんでいたような場合は、「賭博」ではあるけども「著しく財産を減少させ」たとはいえないとして、免責不許可事由には該当しないと主張する余地があります。


また、破産法には裁量免責という規定があります。


252条2項には「同項各号(※上述の252条1項)に掲げる事由のいずれかに該当する場合であっても、裁判所は、破産手続開始の決定に至った経緯その他一切の事情を考慮して免責を許可することが相当であると認めるときは、免責許可の決定をすることができる」とあります。


要するに、「免責不許可事由があっても、事情次第では免責を認めることがあるよ」ということです。


上記のように「そもそも免責不許事由にはあたらない」とか「仮に免責不許可事由に該当するとしても、これこれこういう事情があるから裁量免責が認められるべき」と主張して免責を認めさせることが、ある意味で破産を扱う弁護士の腕の見せ所であるともいえます。


ですので、後ろめたい気持ちもあるかもしれませんが、もしギャンブル等での借金がある場合には、相談の際には隠さず弁護士にはお伝えいただければと思います。意外となんとかなったりします。


医師でも時々間違うことがある、という話

ひとつ前のブログで、人工関節は(例外はあるが)原則として障害年金3級が認められるという話題に触れました。


障害年金を扱う弁護士からすると、初歩的な知識といえるでしょう。


一方で、人工関節の置換手術を受けた方から「医師から障害年金の対象にならないと言われたが本当か?」という相談を結構な頻度で受けることがあります。


結論から言うと、この医師の説明は間違っています。ちゃんと対象になります。


間違っているのですが、では「こんな初歩的なことも医師は知らないのか?」と苦言を呈すべきかというと、実はそうもいかない経緯があります。


障害年金に類する障害者福祉制度の代表的なものとして、障害者手帳制度があります。


この障害者手帳制度においては、2014年4月の認定基準改正により、人工関節の置換手術を受けただけでは障害者手帳の対象にはならない運用に変わりました。


従来認定されていたものが認定されなくなるというなかなかインパクトのある改正内容であったため、医師が患者に間違った案内をしないよう、医師会でも周知が徹底されたようです。


その結果、おそらく多くの医師に「人工関節は障害には該当しない」という認識が強く刷り込まれたものと推測されます。


しかし、この運用変更はあくまで障害者手帳だけのもので、障害年金においては依然として認定対象のまま現在に至っています。


つまり、「人工関節は障害者手帳の対象にはならないが、障害年金の対象にはなる」が正しい認識というわけです(ややこしいですよね・・・)。


障害年金や障害者手帳の等級認定基準は度々更新されており、その結果、障害年金と手帳との間で認定基準に差異が生じたり、逆に両者の基準が統一されたりする事態が起こっています。


ブログ冒頭のような医師による制度への誤解のために、てっきり自分は障害年金の基準に該当しないと思って申請を諦めてしまった方もおそらくいるのではないかと思われます。


とはいえ、すべての医師にこういった改正・変更を追いかけ続けるよう求めるのは、実際問題なかなか酷な話です。その時間があるなら自身の医学知識や治療技術の向上に時間を使いたいというのが医師の本音でしょう。


だからこそ、こういった相談は医師だけでなく弁護士等の専門家にご相談いただくことが大切です。


私は障害年金を取り扱う弁護士である以上、こういった基準変更は熟知していなければいけませんので、日々勉強と情報収集に努めています。


障害年金の等級の見込みなどについては、医師の見解も大事ではありますが弁護士の方が正確に回答できるという場合も少なくないので、まずはお気軽に相談いただければと思います。


障害年金の認定基準には多くの原則と例外がある

障害年金の受給資格を得るためには、一定程度の障害の状態が必要となります。


そのため、障害の状態が軽いか重いかを判断するうえで、日常生活の支障や病院での検査結果の数値などは重要な要素となっており、診断書に正確に反映してもらわないと、適切な認定を受けることができないという難しさがあります。


一方で、いくつかの類型においては、そういった障害の状態の軽重があまり問題にならないものがあります。


具体例として、ペースメーカーの埋め込み手術や、人工関節・人工骨頭の置換術を行っている場合がそれに該当します。


これらの類型では、現実の日常生活への支障や関節の可動域制限の有無は不問で、上記のような手術を行っているのかどうかで等級を判断されることになります。


ネットで「障害年金 人工関節」などと検索していただくと、原則として3級が受給されると説明しているホームページも多いです。


そのため、こういった類型では特に専門家に相談せずに自分で手続を進めても簡単に受給できるのではないかと思われる方もいらっしゃるようです。


ただし、これらにも落とし穴はあります。あくまで「原則として」受給できるのであって、いくつかの例外があります。


その例外のひとつを紹介します。肘関節に人工骨頭を入れた場合です。


肘関節は上腕骨と尺骨、橈骨の組み合わせでできています。


このうち、上腕骨もしくは尺骨を人工骨頭に置換した場合は問題なく3級が受給できます。


一方で、橈骨を人工骨頭に置換した場合は、3級の対象とならないという運用とされています。


この運用は日本年金機構もホームページにも(ひっそりと)告知されています。


https://www.nenkin.go.jp/service/pamphlet/kyufu.files/01.pdf


ただ、多くのホームページでは書略されている内容で、もしかしたらこの運用を知らないという社労士等もいるのではないかと思います。


このような思わぬ落とし穴が多いので、障害年金に関しては本当に詳しい弁護士や社労士に相談することが大事です。


障害年金の受給資格を得るための「納付要件」とは?


障害年金を受給するためには一定の要件があり、そのうちのひとつに、今までちゃんと年金を納めていたかどうかという「納付要件」がございます。




まず、①初診日の前々月からさかのぼって1年間年金を納めているなら、納付要件はクリアとなります。



たとえば、令和5年1月に初めて病院に行ったという場合には、その前々月である令和4年11月からさかのぼって令和3年12月までの期間の年金を納めている必要があります。



次に、仮に直近1年間で年金を納めていない期間があった場合でも、②年金加入から初診日の前々月までを通算して3分の2以上年金を納めているのであれば、納付要件はクリアとなります。



具体的には、令和元年1月に成人して年金の加入が始まり、令和5年1月に初めて病院に行ったという場合には、令和元年1月から令和4年11月までの47カ月間を通じて3分の2以上の月の年金を納めていれば大丈夫ということになります。



注意が必要なのが、この納付要件をクリアするためには、初診日までに年金を納めておく必要があり、初診日以降に追納したとしても受給資格は得られないということです。



たとえば、初診日の令和5年1月時点では年金保険料の未納があり、令和5年2月に未納していた保険料を追納した場合は、条件クリアとはならないということになります。



イメージとしては、ガンになった後にガン保険に加入して保険料を納めても、加入前に発症したガンに対して保険が下りないのと似ているかもしれません。



上記の納付要件との関係で、病院に行くタイミング等がわずかに遅れたために障害年金が受給できないというケースもあります。



たとえば、「1年間勤務した職場でのパワハラのため退職、しばらく自宅で休養したが回復せず、3カ月ほど経って初めて病院に受診、うつ病と診断された。退職後の3カ月は収入もないため年金保険料を納めていなかった・・・」などというのはよくあるケースかと思いますが、この場合は直近1年間の納付要件をクリアできないことになってしまいます。



しかし、上記のケースでもし退職してすぐに病院を受診していた場合には、1年間の保険料納付という要件はクリアとなり、問題なく受給資格を得られるはずでした。



さらにいうと、在職中に受診していれば、障害厚生年金の対象となり、手厚い保障を受けられていた可能性もあります。



障害年金の申請にあたってはこのような落とし穴も多く、事前に障害年金を扱う弁護士にご相談いただければと思います。


「弁護士」という職業にどんな印象をお持ちでしょうか?


自分でいうのもどうかと思うのですが、ご相談やご依頼いただいた方から「フレンドリーで感じがいい」「しっかり話を聞いてくれた」「わかりやすく説明してもらえた」などとお褒めの言葉を預かることがあります。



複数の弁護士に相談していたが、上記のような話した印象が決め手になって私にご依頼いただけるということも結構あります。ありがたいことです。



ただ、ひっくり返すと、世間の一般的平均的な弁護士のイメージは「横柄で気難しい」「話をあんまり聞いてくれない」「説明が不十分」ということなんでしょうか。なんとも手厳しいですね・・・。



実際のところ、じゃあ裁判所や弁護士会の会務などで顔を合わせる他の弁護士の先生方がそういう嫌な奴らなのかというと、全然そんなことはありません。



皆熱意とプライドを持って仕事に取り組んでいらっしゃると思います。



にもかかわらず、こういったネガティブな印象を与えてしまう原因としては、多くの弁護士は法律のプロとして結果で応えるということは重視する一方で、接客やコミュニケーションといったものは軽視してしまっているからではないかと私は思います。



私の所属する弁護士法人心では年間120回以上の研修が行われますが、その内容は、法律の研修=結果で応えるための実力を磨く研修だけでなく、コミュニケーションや心理学の研修=お客様の信頼や満足を得るための研修も多く行われています。



また、アンケートでの満足度調査の実施やお客様相談室の設置などは、法律事務所ではまだかなり珍しい取り組みといっていいのではないでしょうか。



弁護士に依頼することはけして小さな決断ではないかと思います。



弁護士法人心では、単なる結果の良し悪しだけではなく、気持ちの面なども含めたもう一段階上の満足を目指しています。



すでに依頼している弁護士と相性が合わなかったり、方針に疑問があるなどというような場合のセカンドオピニオンも受け付けておりますので、まずはお気軽にご相談いただければと思います。


障害年金における「社会的治癒」とは


障害年金の申請を考えている方の中には、過去に病気を発症して通院していたがいつのまにか通院しなくなり、しばらく経ってからまた症状が悪化して通院を再開したという人が少なからずいらっしゃいます。



障害年金の場合、初めて病院に通ったのがいつなのか(初診日)が大事になりますが、この場合、初診日はいつになるでしょうか。



最初に通院した日でしょうか。それとも通院を再開した日でしょうか。



原則としては、医学的な因果関係があるならばそれは一連一体の病気であり、最初の通院が初診日となります。



しかしながら、医学的には一連一体の病気(=医学的には治癒していない)であっても、一定の条件下においては、一度社会的に治癒したものと扱い、両者を別々の病気として扱う場合があります。



これを社会的治癒といいます。



社会的治癒が認められる条件は、明確に定まっているわけではありませんが、



・長期間治療行為(通院や服薬など)を行っていないこと



・通院の空白期間中、社会復帰(就労など)を果たしていること



などの事情を踏まえて総合的に判断するとされています。



どの程度の期間通院をしていなければ社会的治癒に該当するのかは、傷病の性質などに応じてケースバイケースになります。



また、単に経済的理由であったりとか病院が嫌いで通院していないようなケースですと、社会的治癒は認められません。



この社会的治癒が認められると、通院を再開した時が初診日となります。



そのため、たとえば最初の通院を初診日とされてしまうと納付要件を満たさず申請できないケースとか、もしくは昔過ぎて記録が残っておらず初診の証明が不可能であるようなケースで、初回的治癒を主張することで救済されることがあります。



一方、社会的治癒の判断は最終的には日本年金機構側で行うため、こちらが望んでいないのに社会的治癒であると判断されることもあるので注意が必要です。



その場合、たとえば通院再開が最近でまだ1年6か月を経過していないから申請を見合わせないといけなくなるなどの不都合が生じることもあります。



社会的治癒の可否は専門的な判断が必要になりますので、過去に通院の空白期間があるような方は障害年金に詳しい弁護士の相談してみてはいかがでしょうか。

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初診日の病院にカルテが残っていない場合の対処法


障害年金の申請に際しては、申請しようとしている病気やケガの初診日を必ず明らかにしないといけません。



そのため、原則として初診でかかった病院に「受診状況証明書」という書類を作成していただく必要があります。



それにもかかわらず、初診日がずっと昔で、すでにカルテを破棄していて作成不能な場合や、病院そのものが閉院してしまっているという場合があります。その結果、障害年金の請求を諦めてしまう人もいるようです。



しかし、このような状況であっても、まだ障害年金の請求を諦めるのははやいです。



初診の病院で受診状況証明書を作成できない場合でも、別の方法で初診日を明らかにすることができれば、障害年金の申請は可能です。



初診の証明の代替手段としては、次の病院のカルテを用いるという方法が考えられます。



たとえば、次の病院に初診の病院からの紹介状が残っていたりとか、カルテに「〇年△月頃、××病院受診、その後当院に転院」などと記録されている場合には、初診の証明ができる可能性があります。



また、お手元に初診の病院の診察券や領収書、当時の診断書が残っているなら、その内容次第で初診の証明に使える場合があります。



そのほか、過去に障害者手帳の申請をしていた場合、都道府県や市町村にそのとき提出した診断書が残っていれば、開示請求を行ってこれを入手することで証拠として使える場合があります。



また、閉院した病院であっても、5年間は管理責任者がカルテを保管する義務を負っています。そのため、当時の院長などが別の病院に移っているなど消息が追える場合は、閉院していてもカルテを入手できる可能性があります。



弁護士であれば、弁護士会照会制度などの弁護士特有の権限を駆使して、一般の方や社労士ができない方法で証拠資料の収集を行うことも可能です。



初診日の証明でつまづいてしまったときは、弁護士に相談していただければ解決方法が見つかるもしれません。