障害年金の種類と金額

1 障害年金は大きく分けて2種類ある


 障害年金には、①障害基礎年金と、②障害厚生年金の2種類があります。


 どちらが支給対象になるかは、初診日に加入していた年金制度によって決まります。


2 障害基礎年金


 障害基礎年金は、初診日に国民年金に加入している方、たとえば、自営業者、学生、専業主婦などが対象となります。


 障害基礎年金は1級と2級の等級が設定されています。


 障害基礎年金の支給金額は定額です。加入年数にかかわらず、等級が同じであれば、だれもが同じ金額をもらえます。


 具体的には、1級の場合は年額97万7125円、2級の場合には年額78万170 0円となります。


 また、障害年金の受給者に生計を維持されている子供がいる場合には、子の加算も受けることができます。


 子の加算については、子ども2人までは1人につき22万4900円、子ども3人目からは1人につき7万5000円の加算となります。


3 障害厚生年金


 障害厚生年金は、初診日に厚生年金に加入している方、たとえば会社員や公務員などが対象となります。


 障害厚生年金は1級・2級・3級の等級が設定されています。


 障害厚生年金の支給金額は、平均報酬月額(それまでもらっていた報酬額)や加入月数によって計算されます。


 1級の場合は、2級・3級の場合の1.25倍の金額が支給されます。


 また、等級が2級以上でかつ配偶者がいる場合には、22万4900円の加給年金額が加算されます(65歳未満で年収が830万円未満の場合に限ります)。


4 障害年金は弁護士に相談を


 このように、障害年金はいくつかの種類と金額に分かれており、自分はどの対象となるか、支給金額はいくらになりそうなのか、そもそも支給の可能性があるのかどうかなどは、専門家である弁護士に相談してみることをおすすめします。

知的障害と障害年金


障害年金は、身体障害やうつ病などの精神障害などの他にも、先天的な知的障害も支給の対象になる場合があります。

本日は、知的障害で障害年金を申請するうえでのポイントをご説明いたします。

1 初診日

原則として、障害年金の申請には、初めて病院で診断を受けた日(初診日)がいつであるかが明らかでないといけません。

しかし、例外的な取り扱いとして、知的障害は先天的なものと考えられているので、初診日は原則として出生の日とされます。

そのため、初診日の証明は原則として不要となります。

2 障害認定日

知的障害の場合は、20歳の誕生日の前日が障害認定日となります。

3 納付要件

障害年金の支給を受けるためには、初診日までに一定の保険料を納めている必要がありますが、初診日が20歳より前の場合は、保険料の納付は不要となります。

知的障害の場合は、初診日は出生の日とされる関係で必然的に20歳前の初診日となりますから、納付要件も不要となります。

ただし、知的障害の場合は、20歳を過ぎて就職し厚生年金に加入していたとしていたとしても障害厚生年金の支給の対象にはならず、障害基礎年金のみが支給の対象となることに注意が必要です。

4 知的障害で障害年金が支給されるかの基準

障害基礎年金には等級が1級もしくは2級のみしかなく、障害厚生年金の場合には比較的軽度の場合に認められる3級が存在しないので、ある程度の日常生活や社会生活の支障が求められることになります。

1級ないし2級に該当するか、もしくは非該当になるかの判断は、一定の目安はありますが、様々な要素を考慮したうえで、障害認定審査委員が専門的な判断に基づき、総合的に判断するものとされています。

5 療育手帳との関係

知的障害を持っている場合、自治体から療育手帳の交付を受けている方も少なくありません。

療育手帳の制度は障害年金の制度と完全に別物となりますので、療育手帳の交付を受けている=障害年金が支給されるというわけではありません。

もっとも、「精神障害に係る等級判定ガイドライン」によれば、療育手帳の有無や区分を考慮するものとされており、療育手帳の判定区分が中度以上(知能指数がおおむね50以下)の場合は、1級また2級の可能性を検討し、それより軽度の区分である場合は、不適応行動等により日常生活に著しい制限が認められる場合は、2級の可能性を検討するものとされています。

知的障害の場合は、四肢の欠損などの身体障害と比べると明確な基準がない分、申請の際には様々な資料を他覚的に検討する必要があります。

ご自身やご家族が知的障害を抱えており、障害年金の申請を考えている方は、弁護士に相談することをおすすめします。

弁護士による障害年金申請のサポート


障害年金は公的年金のひとつで、病気やケガのために就労や日常生活に支障があるときに支給を受けることができます。

障害年金の特徴として、その病気やケガになった原因は問われません。

たとえば、労災保険は仕事中や通勤中の事故、自賠責保険は交通事故でないと受給することができませんが、障害年金にはそのような制限がありません。

令和2年度の統計によると、日本全国の障害のある人は964万7000人に上り、年々増加傾向にあります。(令和2年度障害者白書より)。
https://www8.cao.go.jp/shougai/whitepaper/r02hakusho/zenbun/siryo_02.html

このような障害を抱える人の生活の保障は、大きな社会的な課題のひとつになっているといえます。

一方で、その生活保障の中核となる障害年金の受給者数は、令和元年度時点で221万1000人にとどまっています(令和元年度厚生年金保険・国民年報事業年報より)。
https://www.mhlw.go.jp/topics/bukyoku/nenkin/nenkin/toukei/nenpou/2008/dl/gaiyou_r01.pdf

つまり、障害者の700万人以上が、障害年金を受給できていないままということになります。

その原因としては、障害年金の申請手続の煩雑さがあると思われます。

障害年金の申請には、医師に診断書の作成を依頼するほか、病歴や就労状況の報告書、加入している年金の種類によって異なる申請書などを作成して提出する必要があります。

病気やケガで疲弊している方には、少なからぬ負担であると思われます。

また、障害年金を受給するためには一定の要件があり、診断書の記載内容が不十分・不適切であったため、本来受給の要件を満たすべき障害が認定されなかったというケースも多くあると推測されます。

適切な認定を受けるためには、診断書の作成から申請の手続きまで、専門家のサポートがとても重要であるといえます。

そこで、弁護士法人心は、この障害年金の問題を集中的に取り扱う「障害年金チーム」を結成し、障害年金に関するご相談や申請代行などのサポートをさせていただいております。

障害年金は過去に受給できたはずの金額を遡って請求できる可能性もあり、その場合は時効で権利が消滅することのないよう、できるだけ早めに申請を行う必要があります。

障害年金の申請を考えている方は、お気軽にご相談いただければと思います。